SSブログ

産業革新機構、風力発電のゼファーに10億円出資 [VC]

5月5日の日経に記事が載り、翌5月6日(今日ですね)に産業革新機構(INCJ)から正式に発表がありました。
(リリースPDF)

ゼファーというと、リーマン・ショックの2ヶ月前である2008年7月18日に民事再生法を申請したマンションデベロッパーを思い出しますが、もちろん今回のゼファーはもちろんそれとは別会社です。

今回のゼファーは1997年6月設立の小型風力発電の機器の開発、製造、販売を行っているベンチャーです。
現在の資本金は2億6千万円
となっていますが、2008年2月にそれまでの543,735千円から10,000千円に減資をしており、今回の増資は2008年6月(250,000千円)以来となります。

zephyr_capital.png
今回の10億円増資により発行される株式数が分からないので、増資後にINCJが過半数の議決権を取るのかどうかは分かりませんが、かつての産業再生機構やJALをやっている企業再生支援機構のように過半数を取って主導的に経営していくという組織ではなさそうですから、10億円は議決権のない種類株式によることになるのかもしれません。











zephyr_patent.png
次に技術ベンチャーへの投資ということで、特許を見てみました。
IPDLで検索すると、出願件数が19件、うち既に特許になっているものは8件、審査請求済が4件、拒絶査定が2件、みなし取下げが5件となっていました。

「風車」や「風車翼」といった発明があり、製品を自ら開発しているようです。
これらの特許出願や特許がどのような価値があるのかは、これらを使った装置がどの程度売れるかにかかっているのですが、売上高等の情報は公開されていないので、なんとも言えません。競合他社が真似したいものであれば、価値があるということになりますが、特許になっていても誰も真似しようとしないものは経済的には価値がないことになります。これはいわゆる「目利き」が必要という議論になってしまうのですが、現実には将来どんな技術が優位になるかは分からないことが多いので、結局いろいろやって市場に出してみるしかないということだと思います。

INCJとしては、可能性のあるベンチャーには、自分のお金を投資するという気持ちで積極的に投資を行い、成果が出なかったら税金を無駄に使ったとして避難を大いに避難され、成果がでたときにも特に褒められないという、そんな役回りで、やってもらいたいと思います。

タグ:INCJ
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

リスクを取らないVC「産業革新機構」 [VC]

開店休業「産業革新機構」

昨年7月に設立された政府系ファンド「産業革新機構」が一向にニュースに出てこない。
東京都と一緒に水インフラを海外に売り込むことにも取り組んでいるようだが、東京都はお金があるし、そもそも民間ではないのだから対象外ではないか。

民間案件は、最近ようやくアルプス電気との案件が出てきたが、これだけだ。
(東芝と組んでやった案件は入札で負けている)


この案件では、産業革新機構は全部でたった100億円を出すだけ。それも4回に分けての投資で、最初はまず30億円とのこと。合弁会社の出資割合はアルプス電気73.9%、機構が26.1%でマイノリティ出資にとどまるので、機構に主導権はない。ということは失敗しても機構のせいにはならないということだ。

冒頭リンクの日経ビジネスの記事によると、機構はベンチャー投資を目指して設立されたのに、確実な投資案件を探しているため投資案件が出てこないらしい。そんなリターン確実な案件があれば民間で資金は集まるので、国が出てくる必要はない。国に求められているのは、民間では取れないようなリスクはあるが世界を変える可能性がある案件に大胆にお金をつけることなのではないか。

当初の構想では日本版のIntellectual Venturesを目指して、オープンイノベーション実現を目的とした「イノベーション創造機構」という名称だったはずなのに、いつの間にか大企業も出資する不思議な組織に変わってしまった。個人的には結構期待したのだが、やはり官営組織ではリスクマネーは出せないようだ。


機構の平成21年度決算見込みを財務省の資料で見てみると、なんと初年度の9ヶ月だけで35億円の損失をだしている。実際の投資案件はなしで、組織の立ち上げ、人員の採用、投資案件の調査だけで35億円を使うということだ。そして、平成22年度見込みは、売上高ゼロ、販売費及び一般管理費46億円、支払利息30億円で76億円の赤字だ。

ベンチャー投資だからすぐに利益が出ないのはやむを得ないが、投資しなければ始まらない。

世界を変えようとしているベンチャー企業に投資して欲しい。

必要なのは「規模」ではなく「センス」です。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

iPhone, iPadのアプリ開発に投資するファンドが1億ドルから2億ドルに資金倍増 [VC]

KPCB Doubles iFund to $200 Million
クライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(以下、KPCB)という長い名前の著名なベンチャー・キャピタルがありますが、そこが運営している iFund というファンドの投資額を1億ドルから2億ドルに倍増させたと発表したのは、先月末日、折しもiPadが発売される直前でした。

この iFund というファンドは iPhone OS の上で動くアプリケーションに投資するファンドで2008年に総額1億ドルでスタート、すでに14の会社に1億ドルを投資済で、今回はさらに1億ドルを調達してiPad関連に投資していくという発表でした。
KPCBによると、すでに投資した14社では20以上のiPadアプリが開発されていて、そのうち11はiPadの発売と同時にリリースされる予定になっているそうです。(今はもうきっとダウンロードできますね、iPadさえあれば)
このなかには、ゲームのngmocoや音楽認識アプリShazamも含まれていて、KPCBのキャピタリストの投資先選択の素晴らしさに呆れるくらいです。

翻って日本、世界に3つしかないゲームコンソール(Wii、PS、XBOX)のうち二つを生み出している国ですから、開発能力は間違いなくあるはずです。なのに、iPhone向けゲーム会社にVCが投資したという話はあまり聞きません。ゲーム開発はゲーム機の性能が上がるにつれて映画製作のように巨額の費用がかかるようになってしまいましたが、iPhoneやiPadのゲームは100円から高くても1,000円くらいなので、大金を投じて開発する世界ではありません。大企業では対応が難しい、ベンチャー企業が活躍できるプラットフォームだと思います。

日本でも1社に対して5億円から10億円程度の資金を投資するゲーム開発ファンドがあってもいいのではないでしょうか。ただしその場合、英語版と中国版だけで日本語版はいりません。投資効率が悪いので。

タグ:VC iPad
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ニュース

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。