韓国25社、国際会計基準適用へ [IFRS]
日経新聞より
いまや世界一のエレクトロニクス企業となったサムスン電子ですが、IFRSの適用でも先行するようです。サムスン電子やLG電子、LGディスプレーなど韓国企業約25社は、今年12月期決算から国際会計基準(IFRS)を早期適用する。韓国金融監督院は「企業会計への信頼性を高める」(金豪中=キム・ホジュン=審議委員)狙いから、日本よりも早く2011年から2年間かけてIFRSを段階的に強制適用する予定。サムスン電子などは外国人投資家になじみの深いIFRSを自主的に前倒し採用することで、海外からの投資マネー取り込みにつなげたい考え。
IFRSは保有株式や海外資産などの価値の変動を反映した「包括利益」を開示するのが特徴。サムスン電子などは第1四半期(1~3月)の業績発表から、IFRSに基づいた内容を作成する予定だ。
日本ではあいかわらず包括利益を巡っていやだいやだと言っているようで、IFRS受け入れを渋っていますが、韓国は一足早く強制適用となります。
会計基準なんてどれが正しいとかという問題ではないのですが、包括利益は保有株式の評価損益がそのまま反映されてしまうため「安定性」が失われるのは必然です。これが何かと「安定」が好きな日本企業には受け入れ難いようです。
また、のれんの定期的償却がないのも現行日本基準とは異なる点になっています。毎期、安定的にのれんの償却費を計上することなく、のれんの価値がなくなっていないかどうか毎期テストして、価値がなくなっていたらいきなり減損損失を形状、というのも安定性を失わせる要素です。
経営陣が安定を求めるのはわかるのですが、資源価格が上下し、為替が当落し、金利が上下する環境のもとでビジネスをしているわけですから、毎期の損益が安定するはずがないのです。10年連続増収増益なんていうのはフィクションであって、かなり強力な意図をもって決算を組まない限り、そんなことにはならないはずなのです。
日本企業も決して実現しない「安定」をいたずらに追い求めて時間を浪費するのはやめて、IFRSを早期適用してもらいたいものです。会計基準によって企業の実力が変わることはないのですから。
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