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ソフトバンクがビクターエンターテイメントを子会社化 [IFRS]

先週、ソフトバンクがビクターエンタテイメントとテイチクエンタテインメントを子会社化するとのニュースがありました。サザンやSMAPなどの楽曲の販売を手がけているそうです。

本件の場合には、買収によって手に入る資産は直接的には株式ですが、子会社化によってその会社が保有している全ての資産が間接的に手に入る事になります。
そのうち、有形資産としては事務所ビルやスタジオ機材があるのでしょうが、無形資産にはいわゆる原盤権がふくまれており、ソフトバンクの狙いもそちらだと思われます。

そうすると、ソフトバンクは、いくばくかの対価を支払って原盤権を手に入れるというのがこの取引に実態ということになります。

これを会計的に表現すると、ソフトバンクの連結財務諸表においては、本件取引の結果、無形資産の一種である原盤権(著作権法上は「レコード製作者の権利」)が資産として計上される、ということになります。

そうすると、問題は一体その原盤権がいくらなのか、ということになります。
本件で取得する資産、負債は原盤権だけではないので、取得する資産、負債を全てに取得原価(本件では株式の買取価格)を割り振る必要がでてきます。
これを会計の世界では、PPA(取得原価配分)と言っています。

今年の3月末までは、原盤権のような無形資産を認識することは義務ではなかったので、原盤権部分は「のれん」として処理することも可能だったのですが、4月1日以降の企業結合については、一定の条件を満たす無形資産を認識することが義務になりました。

原盤権のような法律上の権利は条件を満たす資産なので、本件買収が実現したらソフトバンクの財務諸表に「原盤権」という科目が出てくるかもしれません。


M&A 無形資産評価の実務著作権法

タグ:IFRS 原盤権
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Ham

このページってどう言う仕組みだかテストさせてください。記事の抜粋を投稿しますが悪戯ではありません。悪しからず。

先週、ソフトバンクがビクターエンタテイメントとテイチクエンタテインメントを子会社化するとのニュースがありました。サザンやSMAPなどの楽曲の販売を手がけているそうです。


本件の場合には、買収によって手に入る資産は直接的には株式ですが、子会社化によってその会社が保有している全ての資産が間接的に手に入る事になります。
そのうち、有形資産としては事務所ビルやスタジオ機材があるのでしょうが、無形資産にはいわゆる原盤権がふくまれており、ソフトバンクの狙いもそちらだと思われます。

by Ham (2010-12-06 19:52) 

Ham

予想した結果と違うな。意外でした。ありがとう。
by Ham (2010-12-06 19:54) 

Ham

こちらのブログを管理されている弁理士さんへ

私は検索で偶々あなた様のブログに、たどり着いた者です。

最初、29条1項2号を引いてしまったと落胆したのですが、29条2項に陥る危険を事前に知ることができた出合いではなかったか、と考えるようになりました。どうも、ありがとうございました。
by Ham (2010-12-06 20:38) 

Ham

縁起を担いで、皓弁理士先生のブログを自分のお気に入りに登録いたしました。

また、私は、ソネットのブログを開いてアフェリエイトの機能として、記事の中に直接リンクが貼られていることに気がついたのですが、他社のブログで同様の仕組みの提供を見たことがなかったモノで。

ソネットが実施権者になっている様な権利がどこかにあるのでしょうかね^^;
by Ham (2010-12-06 22:10) 

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